DVD-Video作成の基礎知識
DVD‐Videoの規格は、多様な機能と高画質・高音質の実現を目的に、
多くの企業が集まって1996年に最初のバージョンが策定されました。
1.DVDの容量
DVDは高画質・高音質で再生することのできる大容量メディアですが、
DVDの容量は記録方法で4つに分けられます。
容量 | 収録可能時間 | |
---|---|---|
片面1層 | 4.7GB | 約133分 |
片面2層 | 8.5GB | |
両面1層 | 9.4GB | |
両面2層 | 17GB | 約480分 |
2.フォーマット形式
画像はMpeg2圧縮、音の記録方式は
リニアPCM音声・AC-3圧縮音声・Mpeg圧縮音声が採用されています。
- MPEG2の圧縮方法
- 通常、テレビやビデオのような動画像は、静止画が時間とともに変化することにより動いているように見えます。1秒間に約25~30の静止画がパラパラ漫画の要領で流れている訳です。その1つ1つの静止画は約1/30秒の間しか表示されません。これは大変短い時間ですので、静止画と静止画の間で変化している部分はごく一部であることが多いのです。
Mpegはこの事実に注目し、変化していない部分は前の画像を参照することとして、
動いたところだけを記録していくことで容量を減らしています。つまり、前の画像と同じところは前の画像を使って同じ画像は捨てているから容量が減るわけです。 - MPEG1(ビデオCD)とMPEG2の違い
- MEPG1は色差のフォーマットとして4:2:0(Y(光度):Cb(色差):Cr(色差))にしか対応していません。MPEG2では4:2:0、4:2:2、4:4:4も対応しています。また、MPEG1は順次走査(ノンインターレース)の画像だけを扱うことができましたが、MPEG2では順次走査はもちろん、インタレース走査(飛び越し走査)の画像も扱えます。
- MPEG1は主に蓄積メディアを対象としていますので、伝送速度ビット・レートが1.5Mbpsまでと低く、VHSビデオの画質以上は望めません。しかし、MPEG2は伝送速度が4Mbps以上あるので標準画質のテレビ程度以上の画質を望むことができます。
- MPEG1は約30フレーム/秒、MPEG2は約60フィールド/秒(MPEG2ではインタレース走査方式が使用できるためフレームではなく、フィールドになります。)
3.DVD-Videoの機能・特殊効果
- マルチアングル機能……同一時間内に進行する映像を最大9アングル記録し、DVD-Videoプレイヤーの操作により視聴者が任意に選択できる機能
- ダイレクトアクセス禁止機能……再生中に操作で特定の場面に直接入ることを禁止する機能。例えば、ゲームなどで、その場面を見てしまうとトリックがわかってしまったりするとき、ある前提条件を満たさない限りその場面を直接見ることを禁止する機能
- バレンタル制御機能……映像および音声の内容が視聴者に対し適切なものかを、予めソフトに設定されたバレンタルレベルと、プレイヤーにユーザーが任意に設定した再生可能バレンタルレベルの上限を照らし合せながら、プレイヤーが自動的に判断し再生するもの。この機能は、画像と音声に対応させることができる。例えば、ベッドシーンや残虐シーンなど、子供に見せたくないシーンを、プレイヤーのレベル設定でそこを再生しないで進むようにできる機能、またそのシーンを加工したものに変えてしまうことができる機能
- 字幕機能(サブタイトル)……同一画面上に字幕を入れる機能。字幕は32種類まで入れることができる。また。同一画面上には4色まで使うことができる。必要なときだけ字幕を出すことができる。また、強制的に字幕を出すこともできる。
- 多言語機能……最大8カ国語まで入れることができる。入れるためには、その言語で作った音が必要
- カラオケ機能……現在普及しているカラオケの機能(はもり・だぶり)が使える機能
- コピーガード機能……コピー防止のアナログ信号を入れることでコピーを防止するもの。また、デジタル信号のコピーガードにも対応できる。これによって、PCなどでもコピーが不可能になる。
- オートマチックピクチャーストップ機能……DVD-Videoディスクを再生中に、ディスクに予め設定されていたポイントで自動的に静止画再生(フレーム再生)になる機能
など、たくさんの機能をもっております。
どういう流れにしたいか、どのような特殊効果をつけるかなど、明確に指示をお願いします。
また、こういう風にしたいなどのご相談も承りますので何なりとお申し付けください。
また、DVD‐Videoは世界の地域別に再生を規制することができます。
日本国内での使用しか考えないのであれば問題はありません。
しかし、リージョンNoが違う(日本はリージョンNo2)ところでの再生を可能にしたい場合、オーサリング時に設定が必要ですので、お申し出ください。
4.印刷に関する規定項目
ディスクタイプ表示
DISCタイプを下記の要領で入れます。
ディスクタイプ名称 | 略称 | |
---|---|---|
日本語 | 英語 | |
片面・1層 | Single Sided Single Layer | S-1 Type |
片面・2層 | Single Sided Dual Layer | S-2 Type |
両面・1層 | Double Sided Single Layer | D-2 Type |
両面・2層 | Double Sided Dual Layer | D-4 Type |
注)8cmディスクの場合は、8cmディスクであることを表示
再生可能地域管理ロゴ
世界の特定の地域でのみ再生できるよう設定している場合は、それを示すロゴを入れます。
|
カラーモード表示
映像のカラーモードを表示してください。
日本語 | 英語 |
---|---|
カラー | COLOR |
モノクロームまたはモノクロ | MONOCHROME |
映像圧縮方式名
映像の圧縮方式を表示してください。
MPEG-1またはMPEG-2
その他
その他、下記のような表示が必要です。
- ディスク作品名
- ディスクナンバー(11文字以内)
- コピーライト及び製造元
- サイドナンバー(複数サイドディスクの場合)
- 賃貸禁止表示(任意)
- カラオケ機能……現在普及しているカラオケの機能(はもり・だぶり)が使える機能
- 録音許諾表示(JASRAC)
5.オーサリングの入稿形態
- 静止画(720×480)Tiffファイル
- D1、D2、デジタルベータカム、DVCAM
- タイムコード